天野周一講演会&花婿大学(2009.3.1)

 3月1日。「春」と呼ぶにはまだ早く、肌寒さの残るこの日、北九州「ホテルニュータガワ」に、一足早く春の訪れを予感させるかのような一陣の風が吹いた。
  風を連れてきた男の名は、そう、ご存じ全国亭主関白協会会長、天野周一。世間では多くのオヤジ達がため息風を吹かせている中、爆笑という風で、世の中を覆っている暗雲を吹き飛ばそうとしている男である。
  そんな天野会長が、「世界中の亭主のため息排出量を2010年までに半減しよう」という、真面目なんだか不真面目なんだかわからないマニフェストを引っさげ開催した本講演、会場となった月華の間には、総勢600人もの人々が詰めかけた。
  第一部では、上手に尻に敷かれる心と技を極めた全国亭主関白協会の奥義が余すところなく公開された。一見立派そうに見えて、その実、情けなくも健気な亭主たちの苦悩から生まれた奥義の数々。エピソードを交え、ユーモアたっぷりに語る天野節に、会場には爆笑の嵐が巻き起こる。
  今や全亭協の活動は、夫婦間のイザコザを解決するだけに留まらない。夫婦になる前の独身男女の意識改革という、新たなステージに立っている。その活動の布石となるのが、本講演のもう一つの顔、「第3回花婿大学」である。
  集まった独身女性に、天野会長は言う。「イイ男は探すのではなく、育てる時代だ」と。そして花婿大学生に言う。「妻のタンスの下から2段目は、決して開けてはならない。ひっくり返るくらいに高級そうな補正下着が入っているからだ」と。これが花婿教育に役立つ助言となったかどうかは定かではないが、必死にメモを取る将来有望な花婿大学生の横顔に、会場の独身女性の心は奪われた?!に違いない。
  「亭主が変われば、世界は変わる!」愛妻のひっくり返したスパゲッティのソースを浴びせられようとも、「犬のエサに」と前日妻がレストランから持ち帰っていたおかずが弁当に入っていようとも、全亭協ドラマ化の際、天野役を舘ひろしが演じたと会場の観客に信じてもらえなくても、それでも全亭協会長・天野は叫び続ける。
  「誰もついてこなくても、ひとりでも、私はやる!」。
  講演もいよいよ最後という時、月華の間の天井が開く。天窓から注ぐ温かい春の日差しに照らされた観客たちの笑顔が、全亭協の考えが多くの人々の心に届いたことを物語っていた。今日、ここから何かが変わるはず。希望の風が、会場を包んだ。


[第一部] 会長 天野周一基調講演

「時代は愛の三原則。家族の絆」

 「新婚当初は亭主の前でオナラなどしなかった妻も、15年も経つとオナラで返事をするようになる」。天野会長の語る「愛妻の素晴らしき進化論」に会場は大爆笑。そんな妻の尻に嬉々として敷かれる全亭協の亭主たちは、一見情けなくも見えるが、実はそんな彼等の亭主力こそ、日本の未来を明るくする力となる。「愛の三原則」「非勝三原則」そして新たに加わった「夫婦ウル・オス三原則」を心に刻んだ亭主のみが、妻の笑顔を引き出せるのだ。
 アメリカで「CHANGE!」が叫ばれるずっと前から、「亭主が変わらねば!」と日本で叫び続けてきた、全国亭主関白協会会長・天野周一。それもこれも、愛妻に「亭主CHANGE!」と三行半を突きつけられる亭主を1人でも救うため。日本における亭主のため息排出量を減らすためなのである。
天野周一講演会


[第二部] 花婿公開検定試験

「独身女性よ、花婿大学生をゲットせよ」

 わずか2時間というスピード履修で、亭主力とはいかなるものかを学んだ花婿大学3期生達。最後の花婿検定試験に合格した者だけが「花婿免許」を手にすることができる。「世界一役に立たない資格」という噂もあるのだが、なかなかどうして、最近では、持っているとけっこうモテちゃう隠れアイテムだという評判もあるのだ。

花婿大学

花婿検定


課外授業:花婿大学第3期生卒業記念パーティー

「女性たちよ、卒業生をつかまえろ」

 花婿検定試験に合格し、卒業証書と花婿免許を受け取った卒業生のみ参加が許される「卒業記念パーティー」。しかし、中には、残念ながら合格出来なかった花婿も。「パーティーだけを楽しみにしていたのに……」と涙を飲む彼らを不憫に思った会長のご慈悲により、「非勝三原則」をフリ付きで唱和することで、パーティーへの参加が許可された!

花婿大学卒業記念パーティー


花婿大学に入学するおちゃめさが、すでに買い。

花婿大学卒業生の本領発揮!!独身女性が華を添える、卒業記念パーティー

 人生にも、結婚生活にも、茶目っ気とユーモアが必要だ。
  「花婿大学に入学するというおちゃめさが、すでに買い」と天野会長。こんな花婿をゲットした女性の人生は、愛と笑いで満たされるはず、なのである。
  茶目っ気たっぷり、且つ、亭主力を学んだ花婿大学卒業生と、幸せになりたい独身女性の出逢いの場となる「卒業懇親パーティー」が同ホテルで行われた。
  晩婚化と少子化にストップをかけたい天野会長も、強力バックアップ。パーティーの開幕宣言でこう独身女性達に語った。「目の前の男性を両目でしっかり見るのはやめて、片目をつぶって見てあげて。できたら両目をつぶっていただくと、なお良い!」と。卒業生に対して失礼な!と言われそうな発言だが、その真意は、「心の目で男性を見よ」ということなのである。
  花婿大学卒業生は講義で学んだことを、独身女性は天野会長直伝の〃男を育てる言葉、さ・し・す・せ・そ〃を活かし、積極的にコミュニケーションをとる。気になる相手をリクエストして呼び出す、ツーショットトークコーナーも大盛況。笑顔で会話を弾ませる参加者達の顔は、ピンクに染まり、ほころんでいた。
  運命のストーリーが、今日ここから始まったに違いない。皆の人生の春も、きっと目の前だ。

6月には福岡で花婿大学をやるぞ。独身男性よ、黙って天野についてこい!