東日本大震災以降、人の心に少しずつ、少しずつ変化が出ているように思える。「幸せって何だろうか」「家族ってなんだろうか」と誰もが考えるようになった気がする。ニュースを見ていると、国も地方自治体も、国民の幸せについて、意識調査の緒に就いた感がある。しかし、「幸せ」の正体を突き止めるまでには至っていないようだ。熊本県のある団体では、怒った数や、嫌なことがあった数、マイナス笑顔の数で、指標を出す試みがあっていると聞き及んだ。さて、ヒマラヤの小国、ブータン王国では、国民総幸福Gross National Happinnes(GNH)で国の豊かさを算出するそうだ。そう、日本もようやく気付き始めたのかも知れない。国民総生産(GNP)で豊かさを測る時代ではないことを。
全国亭主関白協会は1999年の設立以来、幸せな夫婦があって家族があり、その延長上に地域があって豊かな国があると、考えてきた。つまり、「幸せ」のベースは、夫婦が仲の良い事、この一点から始まるものなのだ。仲のいい両親を見る子供達の心には、愛について、命について、うそをつかない、笑顔が一番、思いやりなど、「あ・い・う・え・お」が自然に芽生えるもの。それは子供達が生きる力を学ぶ事であり、生きる術を学ぶ事ではない。生きる術ばかりを教えると、拝金主義を生み、その代償として、やがて心を失う事になるだろう。結果、「お金で、心まで買える」と堂々とうそぶく輩が出てくる始末である。
さぁ、今こそ、亭主が変わらねばならない。亭主が変われば、妻が変わり、妻が変われば、家庭が変わり、家庭が変われば日本が変わる、のだ。「幸せ」の根元である、夫婦や家族の絆は、全亭協の『愛の三原則』『非勝三原則』『お返事三原則』他を亭主が身につけ、妻や子から笑顔を引き出す「亭主力」を磨く事によってのみ、強まるものである。「幸せって何だろうか」「家族って何だろうか」の答えは、妻はもちろん、女性の、笑顔にあるものと断言しておく。つまり、「亭主力」こそが日本の危機を救うパワーに他ならない。時代はGNPからGNHへ。心ある17000人の会員の皆様、堂々と、「いかに上手に妻の尻に敷かれるか」を研究し、心掛けよう。ひとつだけ、心配なことは、後ろを振り向けば、日本を明るい未来に変えようと、ゴミ出し風呂掃除など、小さな努力を積み重ねる天野の「志」に、誰も付いて来ていないことぐらいである(笑)。